ケダモノのすすめ
内なる野性にしたがい日々を生きる男の独り言

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極意以前

「型」しか流通させてはいけない。
「中身」を流通させようとしてはならない。

伝わるものは伝えたいことではなく。
その背後にあるものだ。

「七人の侍」や「用心棒」が流通しているのではない。
黒澤明という「型」が流通しているのだ。
個々の作品はその入れ物にすぎない。

作品よりも「型」の方が歴史の風雪に耐える。
耐えるだけでなく、優れた「型」はそこから多様な感覚を生み出し続ける。

「型にはまったら飽きちゃうんじゃないですか?」
と時々訊かれる。

そういう時は「俳句を見てください」と答える。
世界中に広がる俳句人口が端的に説明してくれる。

優れた「型」は、上手に限定を与える。
だからこそ感覚が発生する。

習慣的に「型にはまる」ということに拒否反応を示す人がいるが、
出来ればこれは一度ゆっくり考えてもらいたい。

武道や伝統芸能に関わったことがある人は理解が早いはず。

それを見れば、時代を超えて流通していくのは「型」のしっかりとしたものだということが分かる。
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メディアリテラシー

いわゆる「官僚」という職業の人たちとつきあい始めて3年ほど経つが、
彼らに対する先入観はほぼ払拭された。

「官僚が悪い」と相も変わらず、なんとかの一つ覚えみたいに言っている連中がまだまだいるけれど、僕もご多分に漏れずその口だった。

しかし、現実の彼らは「人間」であった。
当たり前のことだけど、いい人もいればそうでない人もいる。
僕が仲間に成った連中は本当にこの国や世界のことを考えている人間たちだった。

「右肩上がりの成長はもういい」
「地方の人材を生かし、地方自治を進めていくべきだ」
「効率ではなく生命を見つめる政策を編み出すべきだ」

と言った感じの言葉がばんばん飛んでくる。

東大出て、巨大な官僚組織の中で矛盾を抱えながら必死に新しい次元を引き寄せようとしているヒッピーたち。という風にルビー・トーマスには見えたらしい。

創造的かつ現実的だ。
私の好みだ。

しかし、原発を作るのも、鞆の浦を埋めるのも、干潟を消し去るのも官僚が主体となってやっているのもまた事実だ。

しかし、それは人間がやっているというよりシステムがやっているのだ。
それを擬人法で考えるから話がややこしくなる。
官僚が悪い!!
それですむなら誰も苦労はしない。

現に、どんな政策も我々が選んだ政治家がOKを出さなければ実行されない。
つまり我々が、すべて「それら」をやっているのだ。原理的にも実質的にも。

だとしたらシステムを改良し続けるだけでなく、我々の意識や感覚も改良していかなければならないはずだ。

マスメディアは日々、物事の負の部分ばかりを突きつけ続ける。
しかしそれに対するオルタナティヴを実行可能な行動として指し示すことはない。当然だ、それがメディアの役割だったのだから。

しかしそれでは時代遅れも甚だしい。

僕は新しい次元のメディアが生まれてくると感じている。
そうでなければ、負の情報にされされ続ける子供達の心に明るい光を差し込むことは出来ない。

まずは先入観というものが日々更新され続けるものということを理解しなければ成らない。それはどんな人間にも原理的におこることだということを理解しなければ成らない。
今日、「私だけは大丈夫」と思えたとしても、明日そうだとは限らないことを自覚しなければ成らない。

敵を作って、「反対、反対」と言い続ける惨めな精神構造から脱しなければ成らない。

「マイ箸を使わない人は非エコロジー」とのたまう前に、「割り箸」で生計を立てている人たちに思いを馳せなければならないだろう。

誰も誰かの職業を奪ったり邪魔したりする権利を持たない。
ここが難しいところなのだ。
誰かの不利益が誰かの利益になる場合、
真剣に第三の道を探さなければならない。
それを可能にするには、まず関係性の網の目をマクロに理解すること、
そしてそれからオルタナティヴを産み出すことの出来るシステムを編み出さなければならない。

まさに「編み出す」のだ。

「伝えれば伝わる」という幻想から、はっきりと抜け出すこと。
そのためには情報技法を謙虚さを持って学ぶべきだ。

それがメディアリテラシーの第一歩となる。

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プロフィール

榎田竜路

Author:榎田竜路
Musician、Glocal Media Producer、真荷舟、Earth Voice Project代表社員、NPO横浜アートプロジェクト理事長、NPO映像情報士協会理事長、北京電影学院客員教授、Rainmaker Project代表、身体感覚技法追求。「野生と感性と知性を一つにして地球の未来に貢献します」

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