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ケダモノのすすめ
内なる野性にしたがい日々を生きる男の独り言

ヨチヨチとウロウロ

小学校の低学年で学ぶことを一言で皮肉れば、「じっと座っていられるようになること」ということになるだろうか。

「子供の心臓は10歳ぐらいになるまでは体の大きさに比べて小さい。だから子供はじっとしてられない。じっとしていると苦しくなるからだ」と昔、どこかで聞いた。

根本的にカリキュラムのあり方を考える必要があるんじゃないかな。。
「集注」と「発散」の波をうまく取り入れられたら革新的に子供の力は伸びる。これは集団教育のコツだ。

「基礎体育」にもっと注目した方が良い。
今の子供は歩けるようになってもベビーカーに乗せられる傾向がある。
これは親の都合で、その時期にしか獲得出来ない子供の基礎体力を奪うことを意味する。ここに気付いている親がどれくらいいるのだろう?


「体育会系」という言葉は侮蔑の意味がある。
これは僕も理解できる。
西洋流の身体認識に基づいた「繰り返し」による体力の獲得。
「苦」による身体育成とでも言えるだろうか。
これにある種の嫌悪感を抱くのはまともだと思う。
しかしだからと言って「体育」をないがしろにして言いわけが無い。


ぼくの言う「体育」は「合理的な身体運用の獲得」を目指すものだ。
「楽」を目指す身体運用法、「生活」の中にある体育に注目すべきなのだ。

つらい労働を楽にする身体の使い方、道具をうまく使える身体の使い方。
身体をひとつにまとめて動かすことを我々は生活から学んで来た。

これが文化の底流をなしている。
身体感覚の共有が文化そのものだから。

機械化が進み「便利」になってくるとこの身体文化が変容して来る。
人類の歴史上瞬き程も無い期間でこれが進行した。

それはいろいろな歪みとなって現れて来ている。
しかし、どんなに機械化が進んでも子供の成長を阻害することは出来ても促進することは出来ない。

それは何にも頼らず自分で獲得しなければならないからだ。

子供が成長して来るとまず寝返りが打てるようになり、それから座ろうとするようになる。それが出来るようになると「ハイハイ」し始める。それによって脊椎の機能が飛躍的に高まるらしい。

次はいよいよ「立ち上がる」という段階になる。地球上のどの動物よりも高度なバランス感覚がそれにより発現して来る。それまで獲得してきた身体能力をフルに活用し立ち上がろうとする様はまさに感動的だ。

すると今度は歩こうとする。
ヨチヨチヨチヨチ歩こうとする。

ハイハイで行った方がよっぽど早く移動出来るだろうに、
ヨチヨチヨチヨチ歩こうとする。

この「ヨチヨチ」こそ合理的な身体運用を身のうちに発現させるプロセスなのだ。

これは大人になっても変わらない。
最初は「ヨチヨチ」から何でも始まるのが人間だ。

時々これを嘆く人がいる。
「ヨチヨチ」にならずに「ウロウロ」している人だ。
そういう人は成長しない。

そういう人は四の五の言わず合理的な身体運用法を稽古すれば良い。
すると不思議に生活から雑音が消えていく。

僕は「ヨチヨチ歩き」を嘆いている赤ちゃんを見たことが無い。
みんな楽しそうだし興奮している。

僕は自分の「ヨチヨチ」を大事にしたいし、誰かの「ヨチヨチ」を応援したい。

だけど「ウロウロ」には付き合う気はない。





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プロフィール

榎田竜路

Author:榎田竜路
Musician、Glocal Media Producer、真荷舟、Earth Voice Project代表社員、NPO横浜アートプロジェクト理事長、NPO映像情報士協会理事長、北京電影学院客員教授、Rainmaker Project代表、身体感覚技法追求。「野生と感性と知性を一つにして地球の未来に貢献します」

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