ケダモノのすすめ
内なる野性にしたがい日々を生きる男の独り言

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登竜門

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 母が、僕を産む時に見た夢の話。

 その当時、父の仕事の関係で、僕達(母のお腹の中にいた僕も含めた家族)は福岡にいた。僕の父は送電線工事の仕事をやっていて、母がそれを手伝っていた。母の仕事は今では考えられないぐらいの重労働で、父の会社の人の炊事や洗濯等を1人でまかなっていた。

 当時の送電線の工事は、山の中の現場が多くて、当然、宿舎も山の中になる。水道等当然なかったそうだ。だから母は、下の川まで水を汲みに行かなければならなかった。50人分の炊事と洗濯に一体どれくらいの水が必要なのか分らないが、一日のほとんどを水汲みに費やしたそうだ。

 僕は一人っ子だ。しかし母は僕を産む前に3人流産している。それだけの重労働を課せられたらそうなるだろう。僕を身ごもった時、医者は「無事には産めない」と言ったそうだ。もし産んだら生命の保証は出来ないと言う。生命の保証など、誰にも出来ないことなのだが、医者とはそういうものらしい。

 しかし、母は僕を産んでくれた。それに僕が死んでもおかしくない目にあってもなかなか死なないのは3人分の生命をもらっているからだと僕は信じている。

 もうまもなく産まれるという日に、母は僕の父に「今日はちゃんと帰ってきて欲しい」と頼んだらしい。父は帰って来ると約束したのだが、運悪く緊急の工事が入り、約束を果せなかった。

 怒った母はこともあろうに酒をあおり(母はお酒が全く飲めない)酔っぱらって寝てしまった。よほど腹を立てたのだろう。

その時に不思議な夢を見たのだ。

 白黒の世界に霧のようなものが視界いっぱいに広がっている。すると遠くで低く音がする。その音のする方に進んでいくと霧が晴れて、巨大な滝が現われた。滝の上の方は雲に隠れて見えない。一体どれくらいの高さなのか検討もつかない。地響きを立てながら大量の水が落ちて来る。

 ふと気付くと、一匹の鯉がその滝を昇ろうとしているのが目に入った。その鯉が何度も何度も滝を昇ろうとするのだが、その度に滝つぼに叩き付けられる。だんだんと鯉は傷付き、骨が見えるほどボロボロになってきてしまった。  

 母は心の中で「もう止めろ!死んでしまうぞ!」と叫ぶのだが、その鯉は滝を昇るのをやめようとしない。

 しかし、しばらくするとどうした拍子か、その鯉はスルスルと滝を昇っていき、途中から巨大な竜に変じて、空に向かって飛んでいってしまった。

 しばし呆然とする母。気がつくと布団の上に起き上がっていた。「産まれる。男の子だ!」そう直感し、産婆さんの所に歩いていったのだそうだ。そうして産まれたのが僕。だから名前を「竜路」とつけられた。

 僕はこの名前を気に入っている。

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榎田竜路

Author:榎田竜路
Musician、Glocal Media Producer、真荷舟、Earth Voice Project代表社員、NPO横浜アートプロジェクト理事長、NPO映像情報士協会理事長、北京電影学院客員教授、Rainmaker Project代表、身体感覚技法追求。「野生と感性と知性を一つにして地球の未来に貢献します」

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