ケダモノのすすめ
内なる野性にしたがい日々を生きる男の独り言

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強権発動より感覚発動

昨今、検察と記者クラブの癒着や特捜部の暴走といった話題が巷間を騒がしております。

要は「これはこれ、それはそれ」ということを一番のプライオリティーにせず、「雰囲気だけを作り上げて貶めようとする行為は例え相手が誰であれ、やってはいけないよね」という至極当然な原理を「一個人と比べてはるかに強い力を持っている国家権力やマスメディアが守らなければ、ご先祖様に申し訳が立たないでしょう」ということについてのお話と私は思っております。

さて話は変わって、面白い経験をしたので、ちょっとご報告と考察を述べさせていただきます。

先日、日本初のTシャツメーカーとして有名な久米繊維工業株式会社さんの工場に行ってきました。「日本でしか作り得ないTシャツ」ということを社長や社員の人が言っているので、それはどういうことなのかというのを取材しに行きました。

工場というと皆さんどんなイメージ持ちますか?

僕は大昔ピザの工場でバイトしたことがあったのですが、その体験は悲惨でした。機械と「同列」の役割で流れ作業の一部になるのは僕にとって非常に苦痛だったのを思い出します。時計ばっかりみてたもんな(笑)

今ならあの苦痛の原因が分かります。あれは人間の自然のリズムを無視して工程が組まれていたのです。つまり機械優先ということね。

で久米さんのところの工場はどうだったかというとこれが凄かった!!

縫製を主体とした千葉工場と プリントを主体とした埼玉工場に連れて行ってもらったのですが、

まず千葉工場。

迫力ある広い年齢層のお姉様方が数十名お仕事をされていました。
しかしその姿が美しい!!

裁断機やミシンといった機械が彼女達の道具と化していたのです。
文字どおり機械達は彼女達の手足のように働いておりました。

あと、工程が人のリズムに合うように作られていました。
これを実は驚異的です。何故かというとこれは人間工学からなぞは生まれ得るはずも無いことだからです。

つまり人の感覚が一番発揮されるように工程が組まれているのです。
これを経験から個人で組上げたのなら天才です。

実は先日、稽古場に行って僕の師匠である野口裕之先生に久米さんの工場のことを話しました。

先生は僕の話を聞いてすぐに理解をしてくださいました。


「榎田君、それはね、その人たちが一工程づつ動いているのではなくて、『一息』でいくつかの工程をまとめているからなんだよ」
「それが技と呼ばれるものの原型なんだよ」
「技には人間の自然に根ざした美しさがあるんだよ」

という風に目から鱗のお話をいただきました。

僕の印象では、機械が道具になっている。
つまり身体の延長として人の細やかな意思の発現として使われている。
機械に人が追われていない、むしろ人が機械を追っている。
ということがありました。

一息で動くということを具体的に言うと、
例えばお茶を飲むという動作は、

手を伸ばす。
茶碗を掴む。
それをこぼさないように口元まで持ってくる。
熱さを確かめながら茶を啜る。
飲み込む。
茶碗を戻す。
息をつく。

といういくつかの「工程」に分けられると思います。

しかしこの一連の動きを「一息」以上でこなすと、美しさが現れません。
行儀が悪い、ということになってしまいます。


この「一息の美」の感覚を日本人は大事に育てて来たのです。
「粋」という言葉もそこに通じるのだと思います。

「そんなことぐらい一息でやれねえようじゃ駄目」
という感覚は今もどこかに根付いているはずです。

僕はその工場に行ってみて、まさにこれは「日本でしかつくりえないTシャツ」だと実感いたしました。

そしてプリント担当の埼玉の工場に行ったさらなる驚きが待ってました。

あれは工場ではありません。
工房です。

もちろん機械はあるし、ある種の流れ作業ではあるのですが、シルクスクリーンで一枚一枚手で刷ってるんですよ!!!

同じ位置に同じ色合いで刷ることの大変さ想像つくでしょう!!

「機械で刷らないんですか?」と工場長に聞いてみると、
「機械でもやれないことは無いんだけど速乾性のインク(つまり油性)を使わなくちゃいけなくなって、後でシンナーとかも必要になって、環境に負荷がかかるし、何より肌に直接触れるものだから、水性のものでやってるんですよ」というお返事。

私は感動しました。
本当に感動しました。

これは日本でしか作り得ないTシャツだわ。。本当に。。

墨田に本拠を置く久米繊維工業の心意気と業態はまさに「江戸の粋」というものにふさわしいものでした。

忘れていけないのは現場の人の言葉。
「楽しいですよ」
「もっともっと上達したい」

一息の中に身をまとめる仕事。
こういう仕事を生み出せば、そしてそれが回っていけば、これに勝る幸せないのかも。

感覚発動の方が人を幸せな気分にするというお話でした。
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プロフィール

榎田竜路

Author:榎田竜路
Musician、Glocal Media Producer、真荷舟、Earth Voice Project代表社員、NPO横浜アートプロジェクト理事長、NPO映像情報士協会理事長、北京電影学院客員教授、Rainmaker Project代表、身体感覚技法追求。「野生と感性と知性を一つにして地球の未来に貢献します」

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