思い込みによって生きるなり。
思い込みがあれば案外生きていける。
おとぎ話を大人になると話さなくなる。
リアルな世界に生きなければならないからだそうだ。
僕は思う。
リアルは人それぞれ。
他人のリアルがおとぎ話に見えることも少なくない。
それはお互い様。
結局「リアル」もおとぎ話の一種でしかない。
おとぎ話の中で人が撃たれて死んでいく。
そんなおとぎ話はごめんだ。
僕はおとぎ話を作りたい。
誰のためでもなく自分のために。
そのおとぎ話に共感する人が増えていく。
思い込みはエピソードになる。
パンはみんなで分けて食べる。
泣いていた子供の瞳に好奇心の光がともる。
引きこもった心に哲学が芽生える。
年を取ることが尊敬を産む。
化粧をおとした女性の顔にほっとしてみとれる。
砂漠化した大地に粘土団子が蒔かれる。
雨の香りを風が運んで来てあわてて軒下に逃げ込む。
言葉を無くした世界が一つになる。
虹が二重にかかる。
鳥が空の果てを目指し羽ばたく。
もう会えない誰かの声が聞こえる。
未来の思い出が語りかける。
水と土が触れ合う場所で生命の氾濫に呆然とする。
誰かを支えることに無上の喜びを感じる。
育ち行くものを見つめる眼差しが自分に注がれるのを感じる。
子供がたどたどしく文字を読む。
何故か何故かそんなことが嬉しい。
無性に嬉しい。
人は嬉しいことをたくさんやってればいい。
想像でも空想でもなんでもいい。
そうすればリアルはおとぎ話の話を聞く。
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