愛媛に着きました。
今日から12日まで、四国全土を回り、ショートムービーの作成に入ります。
中国から高監督を招き、チャン・イーモウ監督の「単騎千里を走る」で高倉健の相手役を務めたジャン・ウェンさんに主演になってもらいました。
「お遍路」を主題に四国及び日本の精神文化をソフトパワーとして引き出せるかが勝負になります。
僕の役割はプロデューサーです。
「論理の時代」が破綻し、「物語の時代」になって来たというのが僕の感じです。もちろん論理は必要ですが、それに全てを合致させようとすること自体に無理があると感じていました。「論理」はそれぞれの立場を主張し敵対を生み競争を激化させコントロール不能に陥っていきます。
「物語」は共感を産み、感覚の共有=文化を育み、共存の道を探る素晴らしいツールとなり得ます。
「共感」こそが次の時代を開く鍵になる。
それは僕がNPOを作った当初からの予感でした。
今、その予感は現実になって来ています。
ではどうやって共感を生み出す「物語」を作るのか?
それは「型」という概念にヒントがあります。
「型」とは感覚を発生させる有効な限定のことです。
武道や伝統芸能を観ればわかるように、「型」こそがそれぞれの存在を規定しているのです。「型破り」という言葉は既成の古い「型」から新しい有効な「型」へのシフトを意味します。
「型」はそういった意味で記憶の集積と言い換えることも出来ます。
自分やコミュニティや集団や作品を差異化させているものも「型」なのです。
「お遍路」には明確な「型」があります。
その「型」にはまることで、何かを掴んで行く。
この「お遍路」という強大な「型」を映像化していくことは難しい。
気を付けなければただのプロモーションビデオになってしまう。
これはやりがいがあると思います。
今回、諸事情でぶっつけ本番に限りなく近いやり方をとらぜるおえませんでしたが、今日成功を確信しました。きっといいものが出来ると思います。
たくさんのご協力をいただき本当にありがたいです。
愛媛は、昨年お亡くなりになられた福岡正信さんの生まれ故郷でもあります。
2年前に福岡さんの家を訪ねた時のことをしみじみと思い出します。
「(粘土団子を)世界に広めてください」と手を握られた時の感動が蘇って来るのです。
「ご縁」を強く感じる場所に今度は「映画」というかたちで関わることになりました。
今月は愛媛のあとは山形でシンポジウム、そしてケニアで粘土団子による森林育成と、ほとんどツアーに出っぱなしになります。久しぶりに「勝負」の時期が来ました。
やり抜きます。
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